パイロットの1ヶ月のスケジュールとは? B737・B777パイロットの働き方を解説

パイロットは、毎日飛行機を操縦しているわけではありません。
航空会社のパイロットの1ヶ月は、フライトへの乗務だけでなく、シミュレーター訓練、待機勤務、海外での滞在、乗務後の休養など、さまざまな勤務から構成されています。
また、同じパイロットでも、担当する機種や路線によって働き方は大きく異なります。
今回は、東京をベースとするパイロットを想定し、B737とB777、それぞれのサンプルスケジュールをもとに、パイロットがどのように1ヶ月を過ごしているのかを紹介します。
B737パイロットの1ヶ月
B737は、国内線を中心に運航され、近距離の国際線にも使用される機種です。
東京をベースとするB737パイロットの場合、羽田空港を起点として、伊丹、福岡、新千歳、那覇などを往復する勤務が多くなります。
1日に複数の区間を担当することもあり、例えば「羽田→伊丹→羽田→福岡→羽田」のように、1日の勤務で複数の空港を訪れるケースもあります。
B737パイロット・9月のサンプル

このように、B737では比較的短距離のフライトを複数組み合わせた勤務が多くなります。
一方で、乗務の間には休日があり、シミュレーター訓練やスタンバイ勤務など、実際に航空機を飛ばさない勤務も含まれています。
B777パイロットの1ヶ月
B777は、国内線だけでなく、長距離国際線にも使用される大型旅客機です。
そのため、B737とは1回の勤務の組み方が大きく異なります。
国内線では複数区間を担当することがありますが、国際線では東京から海外の空港へ向かい、現地に数日間滞在した後、日本へ戻るという勤務になることがあります。
B777パイロット・9月のサンプル

B777の場合、長距離国際線が入ることで、1回の勤務が数日単位になることがあります。
例えば羽田からロサンゼルスへ向かう場合、
「羽田 → ロサンゼルス → 現地滞在 → 羽田」
という流れになります。
国内線のように1日の中で何度も離着陸を繰り返すのではなく、長距離フライトと現地での滞在、帰国後の休養を含めて1つの勤務サイクルとして考えることができます。
B737とB777では働き方が違う
B737とB777のスケジュールを比較すると、同じパイロットでも勤務のリズムが大きく異なることが分かります。
B737では、国内線を中心に1日に複数の区間を担当する勤務が多くなります。
一方、B777では、国内線に加えて中・長距離の国際線を担当するため、1回の勤務で海外に数日間滞在することがあります。
つまり、
B737
「短距離のフライトを複数区間」
B777
「長距離フライト+海外滞在」
という違いが、1ヶ月のスケジュールにも表れます。
もちろん、実際の勤務は航空会社、運航路線、乗務資格、機種、季節などによって異なります。
パイロットは「飛んでいる時間」だけが仕事ではない

パイロットの仕事というと、コックピットで航空機を操縦している時間をイメージすることが多いかもしれません。
しかし、実際の業務は操縦だけではありません。
フライトの前には、気象情報、飛行計画、航空情報、使用滑走路、燃料、機体の状態などを確認します。
また、客室乗務員や運航管理者など、運航に関わるスタッフとの確認も行います。
フライトが終わった後も、機体の状態確認や必要な報告などがあります。
特に国内線では、1日に複数の区間を担当することもあるため、短い時間の中で次のフライトに向けた準備を行う必要があります。
シミュレーター訓練もパイロットの重要な仕事
パイロットのスケジュールには、実際の航空機に乗務しない「シミュレーター訓練」が組み込まれることがあります。
シミュレーターでは、通常の運航では経験することが難しいさまざまな状況を想定して訓練を行います。
例えば、エンジンの故障や悪天候、計器飛行、各種の異常事態などです。
こうした訓練では、単純な操縦技術だけでなく、状況を判断する能力や、機長と副操縦士をはじめとするクルー間のコミュニケーションも重要になります。
そのため、パイロットにとってシミュレーターは、実際のフライトと同じように重要な訓練環境です。
「OFF」もパイロットにとって重要な時間
パイロットのスケジュールを見ると、乗務日と乗務日の間に「OFF」が多く設定されていることがあります。
特に長距離国際線では、長時間の飛行に加えて時差も発生します。
そのため、乗務後には十分な休養を確保することが重要です。
スケジュール上の「OFF」は、単なる休日というだけではありません。
安全な運航を継続するために、パイロットが心身を回復させるための重要な時間でもあります。
「LAYOVER」とは?
国際線のスケジュールでよく登場するのが「LAYOVER」です。
LAYOVERは、乗務員が到着地で次のフライトまで滞在することを指します。
例えば、
9月9日 羽田 → ロサンゼルス
9月10日 ロサンゼルス滞在
9月11日 ロサンゼルス滞在
9月12日 ロサンゼルス → 羽田
というスケジュールの場合、9月10日と11日がLAYOVERにあたります。
この時間も、次のフライトに備えて休養するための重要な時間です。
「STBY」とは?
もう一つ、パイロットのスケジュールで見られるのが「STBY」です。
STBYは「Standby」の略で、待機勤務を意味します。
航空会社では、急な欠勤や運航上の事情などによって、予定していたパイロットが乗務できなくなる場合があります。
そのような場合に備え、空港や指定された場所などで待機する勤務が設定されることがあります。
STBYの日は、必ずしもフライトを担当するとは限りません。
その日の運航状況によっては、待機したまま勤務を終えることもあります。
パイロットの1ヶ月は「乗務・訓練・休養」で構成されている
ここまで見てきたように、パイロットの1ヶ月は、単純に「飛行機に乗る日」と「休みの日」に分けられるものではありません。
実際には、
・航空機への乗務
・シミュレーター訓練
・スタンバイ勤務
・海外での滞在
・乗務後の休養
・休日
など、さまざまな勤務が組み合わされています。
そして、B737とB777では、その組み合わせにも大きな違いがあります。
国内線を中心とするB737では、1日の中で複数のフライトを担当することがある一方、国際線を多く担当するB777では、長距離フライトと海外滞在を組み合わせた勤務が多くなります。
パイロットの仕事をコックピットから見てみる
パイロットの仕事は、飛行機を操縦することだけではありません。
フライト前の準備、運航中の判断、クルーとの連携、フライト後の確認、定期的な訓練、そして十分な休養。
これらすべてが、安全な航空運航を支えています。
普段は航空機に乗る「乗客」の立場から見ることが多い飛行機ですが、コックピットではどのような仕事が行われているのか。
そして、パイロットは1ヶ月をどのように過ごしているのか。
実際のパイロットの勤務をイメージしながら航空機を見ると、いつものフライトも少し違って見えてくるかもしれません。
※本記事のスケジュールは、パイロットの働き方を分かりやすく紹介するために作成したサンプルです。実際の航空会社では、運航路線、機種、乗務資格、勤務規程、運航状況などによってスケジュールが異なります。
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