前回魔の11分のうち離陸3分についてお話しました。
ご覧になっていない方はこちら。
本日は着陸8分についてお話します。
<着陸時の8分>
大きく分けると5つです。
1つ目に空港は離陸する飛行機や着陸する飛行機など多くの飛行機が集まります。
一般的には管制官が航空機に対して指示を出しています。また、離陸での飛行ルートや着陸の飛行ルートは一定の形で決められてはおりますが、多くの飛行機が滑走路に集中する事に変わりはありません。交通量が増えれば、各飛行機に対して「高度、針路、速度」の指示が出され、併せて離陸を待たされたり、着陸の順番待ちのため、上空で待機させられたりします。
2つ目に着陸のためには高度を降ろし、速度を減らしていかなければなりません。
高度を降ろすと地上の障害物との距離が近付くだけではなく、離陸時と同様に鳥などと近付く危険性が増えます。また低速で飛行するためにフラップを使用したり、タイヤを出したり、スポイラーを開いたり、飛行形態を変化させると、航空機の姿勢の変化と共に飛行特性も変化してきます。
3つ目に飛行機が飛んでいる時は、空気の塊の中を飛び、空気とともに動いています。
空気の塊の中で飛行している時は、経路などの修正も比較的容易にできますが、着陸の時は動いている空気の塊の中で飛行しながら動かない滑走路に着陸しなければなりません。
高度によっては風の強さや向きが変化したり、その境目では空気の擾乱(じょうらん:乱れている事)により飛行機も揺れる事があります。
4つ目に天候です。
着陸する時に影響を与えるものは、「風(風向、風速)」「視程」「滑走路の状況」があります。
5つ目は「高度に余裕が無い」という事です。
高度に余裕がないという事は、「何かあった時の対応の余裕が無くなる」ということです。
上記のことや前回のお話しをまとめるとパイロットへは魔の11分に多くの負担やプレッシャーがかかり、ミスを誘発しやすい状況になることや機械への負担が大きい事、想定外が起きた際の余裕がないことなどが挙げられます。また着陸の難しさは気象状況に左右されることも大きく影響します。そのため離陸滑走を開始してから安定した上昇姿勢に移行するまでの3分間と、着陸進入から着陸後に滑走路から誘導路までの8分間を合わせた11分が魔の11分と言われる所以です。
如何だったでしょうか。少し難しいお話をしてしまいましたが当店で魔の11分を体験してみてみるのはどうでしょうか。
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