皆様
日頃からSkyart JAPANをご愛顧頂きまして誠にありがとうございます。

Skyart JAPAN本店にはBoeing777-300ERのシミュレーターがございます。

このBoeing777ですが、失速や速度超過を防止するSpeed protection systemが存在します。

今回は、このSpeed protection systemについて紹介致します。

Boeing777はスロットルレバーを自動で制御できるオートスロットルシステムを搭載しています。

スイッチはA/T ARMと記載されているものでこのスイッチはオートスロットルのマスタースイッチになります。

スラストレバーには、このオートスロットルを解除するスイッチがあり、ボタンを押すことで解除することができます。

スロットルレバー横の黒いポッチを2回押すと解除されます。

しかし、オートスロットルを解除したとしても
オートスロットルのマスタースイッチをARMの状態にしておくと
Speed protection systemが作動できるような状態になります。

Speed protection systemの作動条件は以下になります。
Boeingのマニュアルより抜粋しております。

速度が1秒間以上FMCの計算値未満である場合
• 推力が基準推力限界を下回っている状態で
飛行機の気圧高度が離陸時に空港から400フィート以上の場合
飛行機の対地高度が進入時に100フィート以上の場合

A/T ARMスイッチがオフになった際はこのシステムは作動しません。

このスイッチが、自動的にオフになることはほとんどありませんが、パイロットがオフにする事はできます。

このプロテクションシステムは、飛行機が失速や速度超過になりそうな時に自動的に作動してくれる画期的なシステムです。

また、Boeing777は主要飛行制御システムに3つのPFCを使用しております。

PFCとはプライマリーフライトコンピューターと呼ばれるものになります。

Boeing777は、フライバイワイヤーシステムを導入しており、飛行系統を電子的に制御しております。パイロットが操縦桿を動かすと、PFCが最適な値に調節してから舵面を動かす様な機能になっております。

これにより、従来のシステムでは困難だった制御の強化や保護機能を組み込むことができました。

下記の5つのプロテクションがあり、今回紹介したSpeed protectionも含まれております。

• バンク角保護
• 回転補正
• 失速および過速度保護
• ピッチ制御と安定性の向上
• 推力非対称補正

この便利な機能がある反面、風の急激な変化をパイロットがマニュアル操縦で対応する場合は、急激な変化にPFCが対応しきれないので予測に基づいて早めに判断する操縦が求められます。

参考までに、Boeing777のコンピューターについて図でご紹介致します。
同様にBoeingマニュアルから抜粋しております。

以上になります。

もしB777の事について詳しい方、プロの方、プロテクションシステムが何ノットの誤差で作動するか教えて頂けますと嬉しいです。

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